今年も、神奈川の夏は熱かった。 そしてその頂点に立ったのは、やっぱり横浜高校だった。
3年ぶりの優勝、でも決勝進出は毎年
横浜高校が神奈川大会を制したのは、実に3年ぶり。 でも、2021年以降は毎年決勝まで勝ち上がっている。 この安定感と強さは、まさに“神奈川随一”と言っていいだろう。
今年のチームもタレントが揃っている。 エースで4番の奥村頼人選手は、投打でチームを牽引。 予選中は主戦として好投を続けた織田翔希選手、打線では阿部葉太選手や奥村凌大選手も存在感を発揮した。
二回戦から登場すると、盤石の戦いで勝ち上がり、準決勝の平塚学園戦では土壇場での逆転劇。 そして決勝では、ライバル・東海大相模に11対3の完勝。 春夏連覇がかかる甲子園でも、あまり気負わずに臨めば、結果は自然とついてくるような気がする。
村田浩明監督、“常勝横浜”を背負う男
横浜高校を率いるのは、村田浩明監督。 かの渡辺元智監督の教え子で、現役時代は涌井秀章投手の女房役、そして主将を務めた男だ。
現役引退後は、公立高校で指導者としてのキャリアを積み、強い公立校の育成に取り組んでいた。 そんななか、母校・横浜高校の不祥事による混乱のなかで、突如監督就任の打診を受ける。 何度も渡辺元監督、小倉元部長のもとに通って相談を重ねた末、最後に言われたのは—— 「お前しかいない。」
そんな言葉を受けたら、覚悟を決めるしかない。 そして村田監督は、横浜高校の監督としての道を歩み始めた。
“強くなければならない”という宿命
横浜高校は、いつも強い。 そして、どこか“強くなければならない”という宿命を背負っているようにも感じる。 神奈川県内だけでなく、全国にファンがいて、華々しい結果を残し続けてきた名門。 松坂大輔、涌井秀章、筒香嘉智、近藤健介——数々のスターを輩出してきた。
そんなチームを率いるということは、
-
技術を伴った指導力
-
選手を束ねる求心力
-
毎年変わるメンバーを育て続ける継続力
-
全国制覇を目指す信念
-
相手チームを分析する戦略力
-
そして何より、自身の体力と精神力
これらすべてが必要になる。 それでも村田監督は、選手たちと一緒に野球をやり続けている。
“家族で支えるチーム”という温もり
就任1年目はコロナで大会ができなかった。 でも、2021年以降は毎年決勝まで勝ち上がるチームに育てている。
そして、選手たちが暮らす寮の寮母さんは—— 村田監督のお母さんが、旦那さんと一緒に切り盛りしているという。 なんだか、チーム全体が“家族で支えている”ような温もりがあって、そこも横浜高校の強さの一部なのかもしれない。
これからの“村田横浜”に期待
もしかしたら、これからも“村田横浜”が続いていって、 いつか渡辺元智監督に勝るとも劣らない名将と呼ばれる日が来るのかもしれない。 その可能性を感じさせる、今年の神奈川大会だった。